鯛よし百番
“飛田最高格式の元遊郭”
こんにちは!秀吉ヤングです。
みなさんは飛田新地の中に懐石料理や鍋が楽しめる料亭が存在しているのはご存じでしょうか?
飛田新地といえば日本最大級の遊郭で、大阪の男性だけでなく、全国、全世界から観光客が訪れるほど有名な男性向け観光地となっています。
今回はその飛田新地の中で唯一本物の料亭として営業している「鯛よし百番」をご紹介したいと思います!
飛田新地とは
まずはじめに、「鯛よし百番」がある飛田新地とはどのような場所なのかを説明したいと思います。
飛田新地は、大阪市西成区にある大正時代から現在も続く日本最大級の遊郭です。
現在も大阪で本番ができる場所としても有名です。
大阪は1990年の「国際花と緑の博覧会(花博)」の浄化作戦で大人のお風呂屋さんが全店営業停止となりました。
そのため、合法的に本番ができるお店はここ飛田新地を含む「5大新地」のみになっています。
なぜ飛田新地は本番が合法なのかと言うと飛田料理組合が管理する料亭として営業しているからです。
建前上は料亭に来たお客さんとお店のお姉さんとの自由恋愛としてしています。
さらに飛田新地では、店の玄関が開いていてそこに女の子が座っています。
パネルではなく実物を見て女の子を選ぶことができるのでパネマジがないのが特徴です。
なので、働く女の子のプライバシーを守るために営業中の飛田新地内は基本的に撮影禁止で、冷やかしの女性の立ち入りも禁止されています。
鯛よし百番とは
飛田新地がどのような場所なのかを理解していただいたところで、次に飛田新地の中にある「鯛よし百番」という料亭について解説していきます。
「鯛よし百番」は、飛田新地の中でその他の建前上の料亭ではなく、唯一本物の料亭として現在も営業している飲食店です。
なので、女性の方でも入れますし許可を得れば店内の撮影もOKです。
店は完全予約制であり、予約時にメニューも決めるシステムになっています。
予約は2名から団体さんも受け付けているようです。
メニューは懐石料理、鍋料理が中心です。
月曜日が定休日となっており、昼と夜の2部制です。
元々は飛田新地の中で最も格式の高い遊郭として大正時代に建てられたとされています。
また、歴史的価値の高さから2000年には、国の登録有形文化財としても登録されています。
ちなみに、入口にある大きな看板に書いてあり、店名にもなっている「百番」という屋号ですが、飛田新地の中に入るための大門から近い店が「一番」で、続いて「二番、三番」と奥に行くほど数字が上がっていきます。
「百番」は飛田新地内で一番奥にあり、最高級店の意味を表しています。
そのため、他の店と比べても比較にならないほど大きな店で外観もかなりきらびやかになっています。
鯛よし百番の建築および内装については店内にあった説明文を引用します。
鯛よし百番は、遊郭であった旧飛田新地に建つ料亭であり、最高級の遊郭建築を現在に伝える貴重なものである。
木造2階建、入母屋造、桟瓦葺で、外部は2階に擬宝珠高欄を巡らし、道路の隅切り部分に設けた玄関には、唐破風の屋根をつけている。内部は、中庭を囲んで部屋がつながり、遊郭独特の間取りである。
それらの部屋は、日光東照宮を模した陽明門、天井には龍そして鳳凰・唐獅子・眠り猫の彫刻が施された応接間をはじめ、20程ある部屋は、それぞれ独特の物語があり、それに沿って絢蘭豪華な意匠がなされている。
これを読んで鯛よし百番がいかに豪華な建物であるかを理解していただいたところで、外観と内観の写真をお見せしたいと思います。
外観
鯛よし百番の入口は隅切りになっていて交差点に面しています。
入口の横には大きく「百番」と書かれた看板が立っており、千と千尋の神隠しに出てくるような怪しげな提灯と擬宝珠高欄(2階にある赤い柵の先っぽにあるやつ)で飛田新地の中でもひときわ目立つ外観になっています。
側面も石柱が並び、現代の建物とは違う風格があります。
裏口の装飾にもこだわりを感じさせます。
さらに建物側面には令和4年に作られたVRプロジェクトに関する看板も建てられています。
パート・アルバイトの募集もしていました。
過去にはアルバイトのスリランカ人を不法に働かせたとして社長が書類送検された事件もありましたが現在は改善されていると思います。
店の裏側は増築されたのかコンクリート造りでした。
内観1階(顔見せの間・中庭・日光の間)
続いて入口から中に入っていきたいと思います。
入り口から入り中の玄関はこのような感じなっていました。
まず入って左手に小さい部屋があるがおわかりでしょうか?
中を覗くとここが当時遊女たちの「顔見せの間」として使われていたようです。
ここで何名かの遊女が登場してその中から気に入った子を選んで部屋へ行くのかと思いましたが、百番が遊郭として建てられた当時には「顔見せ」のシステムが違法とされていて、実際は今でいうパネルのようなものをここに並べて客に遊女を選ばせていたのではないかと言われています。
つぎに玄関で靴を脱ぎ下駄箱に靴を入れてスリッパに履き替えて店内に入ります。
店内に入り右側には、住吉大社でお馴染みの太鼓橋があります。
太鼓橋を渡って奥には団体客用の「桃山殿」という大きな部屋があります。
この部屋が一番大きな部屋だそうです。
太鼓橋の上からはライトアップされ壮大な中庭を見ることができます。
この中庭は1階から2階まで吹き抜けになっていて大きな岩が2つ並んでいます。
この2つの岩、よくよく見ると何かに見えませんか???
(ヒントはここは元々遊郭です)
答えは、手前が男性のアレで奥が女性のアレを表しているそうです!笑
そう言われるとそう見えてくる…。
次に1階には鯛よし百番のメインと言っても過言ではない超豪華な「日光の間」と呼ばれる応接室があります。
その入口がこちら
黄金に光る門には「陽明門」と書かれており、あの日光東照宮の陽明門をイメージして作られています。
門を抜けて日光の間に入ると頭上には「雲竜図」が描かれていて、正面には舞い踊る天女が描かれています。
部屋の中心には机とソファの応接セットが置かれています。
入口の裏側には日光東照宮を象徴する徳川家康の「葵の御紋」が施されています。
また、部屋のすべての壁が金色で装飾もとても豪華です。
当時、この「日光の間」はお客さんの待合室になっていたと思われます。
こんな豪華な部屋で待つのは余計緊張しそうですが、これが最高級遊郭の粋な演出なのでしょうか。
ちなみに現在でも超高級なお風呂屋さん()の待合室は高級ホテルのラウンジレベルという噂を聞いたことがります。
内観2階(階段・廊下・喫煙所)
2階へは京都の「三条大橋」をモチーフにした階段で2階へと上がっていきたいと思います。
階段はかなり急なので注意が必要です。
通路が狭いですが、壁には部屋の前ごとに違う絵が描いてあります。
他には少しも洋風の装飾が施されている部屋など様々なコンセプトがある部屋が15部屋ほどあります。
今でいうと学校の教室や診察室のあるホテルみたいな感じでしょうか。
廊下は中庭を囲んでつながっているのでぐるりと1周することができます。
この造りは遊郭独特の間取りだそうです。
このように2階からも吹き抜けの中庭を見ることができます。
2階の散策が終わったところで次に食事を取る部屋を紹介していきます。
部屋(喜多八の間)
僕が案内されたのは島田宿と書かれた看板があり、部屋前には「東海道五十三次」の宿場町の絵が描かれている「喜多八の間」という部屋でした。
中に入るとなんと屋形船を模した小上りがありました。
屋形船は当時、秘密の関係の2人が他人の目を盗みこっそりと逢瀬をしていたとのことで有名で、遊郭にはぴったりのコンセプトルームです。
遊郭として使われていた時代は、この屋形船の小上り部分に布団が敷いてあったのでしょうか。
ほかの部屋の内装はというと、可愛いこけしや絵が飾ってあったり本物の生えている木に見える装飾が施されています。
そして、この部屋の一番のメインは天井です。
天井には目賀秀男さんの木彫りの作品である「大井川を渡る」が飾られています。
大井川は橋が架かっていないため、肩車で川を渡っているという場面が描かれています。
この作品の周りにも様々な絵が描かれていて飽きることがありません。
また、部屋の窓を開けると「百番」と書かれた大きな看板を見ることができます。
部屋の紹介の次は食事です。
食事(ちゃんこ鍋)
部屋にはお鍋と取り皿などが用意されていてはじめに飲み物(別料金)を注文します。
料理は事前に予約の時に伝えている内容のものが来ます。
僕が頼んだのは「ちゃんこ鍋」です。
程なくして具材のセットが運ばれてきました。
内容は「牛肉、鶏肉、つくね、魚介類、野菜」です。
この写真の量で2人前です。
完成するとこんな感じです。
〆には別料金がかかりますが追加でうどんなどを入れることもできます。
食事を楽しんだ後は店員さんに確認を取り、店内の散策を楽しむこともできます。
おまけ:清浄殿
ちなみにトイレは男性が1階、女性は2階になっています。
入口には「清浄殿」と書かれており、装飾も他の部屋に遜色ないくらい豪華でした。
さいごに
今回の記事を読んで気になった方は「鯛よし百番」の公式HPと住所を載せておきます。
ぜひ飛田新地まで足を運んで「鯛よし百番」で食事と建物の雰囲気を味わってみてはいかがでしょうか。
公式HP:https://hyakuban.jp/
住所:大阪市西成区山王3−5−25
以上で飛田最高格式の元遊郭である「鯛よし百番」についての紹介を終わります。
ありがとうございました。
「鯛よし百番」がある飛田新地の詳細についてはこちら↓
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