韓国・大邱の犬肉市場でポシンタンを食べてみた|七星市場の現在【2026】

韓国で犬肉スープを
食べてみた

こんにちは!秀吉ヤングです。

今回は番外編として、韓国・大邱にある「七星市場」を訪れ、犬肉料理として知られる「ポシンタン(補身湯)」を実際に食べてきました。

七星市場は、かつて韓国を代表する犬肉市場として知られていた場所です。

しかし韓国では犬肉文化が急速に衰退しており、2027年2月7日からは、食用目的での犬の飼育・繁殖・屠殺・流通・販売が禁止されます。

では現在の犬肉市場はどうなっているのか。

実際に七星市場を歩いてみると、営業をやめた店が並ぶ一方で、今もポシンタンを提供している店がわずかに残っていました。

この記事では、

・現在の七星市場の様子
・犬肉料理店の探し方
・ポシンタンはどんな味なのか
・韓国の犬肉文化は今後どうなるのか

を、実際に現地を訪れた写真とともに紹介します。

韓国の犬肉は禁止される?2027年2月から何が変わる?

Googleマップのストリートビューより(2018年)

韓国では2024年、「犬の食用目的の飼育・屠殺・流通などの終息に関する特別法」が制定されました。

法律では、食用を目的とした犬の飼育・繁殖・屠殺に加え、犬肉や犬肉を使った食品の流通・販売が禁止されます。

主要な禁止規定と罰則が本格的に適用されるのは2027年2月7日です。

注意したいのは、「犬肉を食べる行為そのもの」を直接禁止する法律というより、犬肉を生産・流通・販売する仕組みを終わらせる法律だという点です。

すでに犬肉産業の縮小は急速に進んでいます。

韓国農林畜産食品部によると、2026年5月時点で、届け出のあった犬肉用の犬飼育農場1,537カ所のうち1,265カ所、約82%がすでに閉鎖しています。

実際に私が七星市場を訪れた際も、犬肉を扱っていたと思われる店の多くは営業しておらず、市場内で生きた食用犬を見ることもありませんでした。

かつて存在した犬肉文化が、まさに消えていく途中にあることを実感します。

そんな状況だったため、「今の七星市場を自分の目で見てみたい」と思い、大阪から韓国・大邱まで向かいました。

七星市場(犬肉市場)へのアクセス

今回訪れた七星市場のある都市は「大邱(テグ)」という韓国中部の都市です。
日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、韓国では第3の都市と呼ばれており、人口200万人を超える大都市です。位置づけとしては、ソウル・釜山に次ぐ“韓国の名古屋”のような存在かもしれません。

驚くべきは、そのアクセスの良さ。
実は大阪(関西国際空港)から大邱までは直行便が出ており、フライト時間はたったの約1時間半。
北海道や沖縄に行くよりも近いのでオススメです。

しかし、大邱は観光地としての知名度がまだ低く、日本人観光客の姿はほとんど見かけません。
筆者が七星市場を訪れた日も、観光客らしき人は皆無で、すれ違うのは地元の高齢者ばかりでした。

また、大邱では日本語がまったく通じない場面が多いため、翻訳アプリ(Papagoなど)をスマホに入れておくのは必須です。
タクシーの運転手や市場のお店の人も、基本的には韓国語オンリー。観光地慣れしたソウルとはまったく違う、“ガチのローカル感”が味わえるのも大邱の魅力かもしれません。

大邱国際空港からは電車がないので、中心地にあるホテルまではタクシーで向かいました。

ホテルで荷物を預け終わると地下鉄に乗って、犬肉市場のある「七星市場駅」へ向かいました。

七星市場駅

七星市場とは?かつての韓国最大の犬肉市場

七星市場駅

七星市場(チルソンシジャン)は、韓国・大邱にある巨大な在来市場で、地元住民にとって日常的な買い物スポットです。

七星市場
七星市場


新鮮な野菜や果物、魚介類、精肉、韓国料理の屋台などが立ち並ぶ活気ある市場ですが、かつては「韓国最大の犬肉市場」としても知られていました。

Googleマップのストリートビューより(2018年)

少し前までは、犬が檻に入れられた状態で並び、裏手には屠殺場も存在していたと言われています。


市場内には堂々と「개고기(犬肉)」と書かれた看板が掲げられ、ポシンタンを提供する店も多く、まさに犬肉文化の象徴ともいえる場所でした。

七星市場の現在

犬市場

活気に溢れていた当時とは変わり、近年の社会情勢と法整備の進行により、状況は一変。


今回訪れた際、市場内に犬の姿は一切なく、看板こそあれど実際に営業している犬肉店はほんの数軒だけ。

裏通りには、営業をやめたまま放置されたような店舗が並び、どこか廃墟のような空気が漂っていました。
かつては50店舗近くあった犬肉関連の店も、現在営業中の店はわずか十数軒程度に減少しているそうです。

七星市場
韓国 犬市場

現在はニワトリやウサギが檻に入れられて売っていましたが、生きた犬は売られていませんでした。

また、現在の七星市場は、総計300軒以上の店舗と屋台が並び、野菜・魚介・精肉・チョッパル(豚足)横丁などが充実 。

筆者が平日の昼間に訪れた際も、観光客は皆無で、利用者は地元の高齢者が中心でした。

チョッパル横丁

チョッパル(豚足)横丁のみ、明るい感じでした。

ポシンタン(犬肉スープ)屋を発見

今回の旅の目的はただひとつ――「犬肉料理」を食べること。


ネットで調べたところ、七星市場の中にまだ営業している犬肉店があるとのことでしたが、なかなか見つかりませんでした。

看板に「개고기(犬肉)」と書かれた店はちらほら見かけるものの、その多くはすでに営業していない廃業店舗ばかり。

犬肉市場

「개고기(犬肉)」と書いてあり開いてそうなお店を発見したので、店の中を覗いても店内は電気もついておらず、老人が座って話しているだけで営業中かどうかも不明でした。


それでもあきらめずに歩いていると、道端で井戸端会議をしていたおばちゃんたちを発見。
意を決して、スマホの「翻訳アプリ(Papago)」を使って「犬肉スープを食べたいんですが…」と聞いてみました。

すると、返ってきたのはまるで関西のおばちゃんのようなジェスチャー付きの案内。
「ここガーッと行って、右バーンや!」みたいなノリで指を差しながら教えてくれます(笑)。
とりあえず「カムサハムニダ〜」とお礼を言って、おばちゃんの言うとおり進むと…

ついに見つけました。

ポシンタン屋
ポシンタン屋


「보신탕(補身湯)」とハングルで書かれた看板のある店!

勇気を出して店内に入ると、清潔感のある落ち着いた雰囲気。
中には地元の老夫婦やおじさんが数人。完全にアウェーな空気ですが、店員さんが優しく席に通してくれました。

渡されたのはハングルオンリーのメニュー表。
もちろん読めるはずもないので、ここでも翻訳アプリを起動。日本語翻訳されたのがこちら。

犬肉 メニュー


何とか「보신탕(ポシンタン)」と「飲料水(チルソンサイダー)」を注文することに成功。

いよいよ、韓国の“禁断グルメ”と対面です。

その前に「보신탕(ポシンタン)」について説明しておきます。

ポシンタン(보신탕/補身湯)とは、韓国で昔から食べられている犬肉を使ったスープ料理のこと。
「補身湯」という漢字のとおり、“身体に栄養を補うスープ”として位置づけられており、特に夏バテ防止や滋養強壮のためのスタミナ料理として親しまれてきました。

もともとは朝鮮半島の農村部で、体力を消耗しやすい酷暑の時期に精をつけるための伝統食として根付いてきた背景があります。
特に、韓国の三伏(サンボク/一年で最も暑い日)にポシンタンを食べる風習は今も一部に残っています。

ただし、現代の韓国ではポシンタンを好んで食べるのは高齢者が中心で、若い世代にはほとんど受け入れられていません。
韓国の若者の多くは、犬を「食用動物」ではなく「ペット・家族」として見ており、犬肉そのものに対して強い拒否感を抱く人も多いのが現実です。

【実食レポ】ポシンタンの味は?実際に食べてみた感想

韓国 パンチャン

注文してしばらくすると、まず出てきたのは韓国料理でおなじみの「パンチャン」。
小皿に盛られたキムチ、ナムル、漬物、酢の物など、軽く10種類。これだけでごはんが食べられそうな量です。

ポシンタン 犬肉スープ

そしていよいよ、メインのポシンタン(犬肉スープ)が登場。


ぐつぐつと煮え立った土鍋の中に、茶色のスープとたっぷりの薬味、そしてしっかりとした肉塊
が確認できます。

見た目は少し辛そうでしたが、実際に一口飲んでみると…
驚くほどまろやかで、まったく辛くない。
クセもなく、日本のモツ煮込みに少し似たテイスト。

気になる犬肉そのものはというと――

ポシンタン 犬肉スープ


とても柔らかく、繊維質で、よく煮込まれていてホロホロ。
例えるなら、牛のスネ肉ややわらかい羊肉のような感じで、言われなければ犬肉だと気づかない人もいるかもしれません。

犬特有の独特の香りなどもなく、普通に「おいしい」と感じる味でした。
韓国の滋養強壮“スタミナ飯”として納得できるクオリティ。


これは夏バテ防止として食べるという風習も納得です。

まとめ|韓国の犬肉市場はまもなく歴史になる

犬肉市場

今回、大邱の七星市場を実際に歩き、ポシンタンを食べてみました。

かつて犬肉市場として知られていたエリアには今も「개고기(犬肉)」などの看板が残っていますが、営業をやめた店も多く、当時の面影は急速に失われています。

それでも探してみると、現在もポシンタンを提供している店が残っていました。

実際に食べてみると、想像していたような強烈なクセはなく、よく煮込まれた肉と濃厚なスープの料理でした。

もちろん犬肉を食べる文化については、人によってさまざまな考え方があると思います。

ただ今回印象に残ったのは、「韓国で犬肉を食べた」ということ以上に、何十年も続いてきた食文化が消えていく直前の市場を実際に見ることができたことでした。

2027年2月7日からは、食用目的での犬の飼育・屠殺・流通・販売に対する禁止規定と罰則が本格的に適用されます。

七星市場の犬肉街も、近い将来まったく違う姿になっているかもしれません。

この記事は、そんな変化の途中にあった2025年の七星市場を記録した実食レポートとして残しておきたいと思います。

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