池田エライザが訪れた大阪の名建築を写真で見る!ドラマ「名建築で昼食を 大阪編」のロケ地ガイド


名建築で昼食を
大阪編

こんにちは!秀吉ヤングです。

今回は、池田エライザさんと田口トモロヲさんが主演のテレビドラマ「名建築で昼食を 大阪編」で登場した名建築ロケ地を紹介したいと思います。

このドラマは、OL役の池田エライザさんが建築模型士の田口トモロヲさんに大阪にある名建築を紹介してもらいながら、その建物内でランチをするといった内容のドラマです。

建築紹介のドキュメンタリー番組などは今までありましたが、「名建築で昼食を」のようなドラマ仕立てになっている番組は新しく、建築好き以外の若い人にも大変人気の番組です。

では、第1話から最終話の第6話までに登場した名建築を実際の写真とともに紹介していきたいと思います。

綿業会館

綿業会館(めんぎょうかいかん)は、大阪市中央区にある歴史的な建造物で、日本の繊維産業の発展を支えてきた施設の一つです。

1931年(昭和6年)に建設され、大阪の綿業界の発展を目的として設立されました。

現在では国の重要文化財にも指定されており、歴史的価値の高い建物として広く知られています。

建築の特徴としては、英国の伝統的な建築様式を取り入れた美しいデザインが特徴です。

外観はレンガと石材を使用し、重厚感のあるクラシックな雰囲気を醸し出しています。

内部には、格式のある会議室やホールがあり、天井や壁面には精巧な装飾が施されています。

設計を担当したのは、著名な建築家の渡辺節(わたなべ せつ)で、当時の最新技術と伝統的な意匠を融合させた設計が高く評価されています。

特に、館内のステンドグラスや木彫の装飾は、当時の職人技が光る見どころの一つです。

現在も綿業会館は、企業の会議やセミナー、文化イベントなどに利用されています。

また、一般公開されることもあり、歴史的建造物としての価値を体感できる貴重な機会となっています

過去には、国際会議などでも利用され、あの有名なリットン調査団ヘレンケラーもこの綿業会館に来館しました。

こちらが正面入り口。

2003年には文化庁より「重要文化財」に指定されています。

館内見学は、毎月第4土曜日に開催されています。

昼食付で3500円、見学のみで500円です。

しかし、ドラマの影響で人気過ぎてほぼ予約が取れない状況になっているらしいです…(めっちゃ行きたい)

住所:大阪市中央区備後町2-5-8

生駒ビルヂング

生駒ビルヂング(いこまビルヂング)は、大阪市中央区に位置する歴史的な建造物の一つで、大正時代から昭和初期のレトロな建築様式を今に伝えています。

1925年(大正14年)に建設され、大阪の商業地として栄える本町エリアにおいて長年にわたり重要な役割を果たしてきました。

建築の特徴は、アール・デコ様式を取り入れた重厚なデザインと、職人の手による繊細な装飾です。

外壁にはタイルが使用され、内部には美しいステンドグラスや優雅な階段が残されています。

また、ビルの名称が「ビルディング」ではなく「ビルヂング」と表記されている点も、当時の時代背景を感じさせる要素の一つです。


現在もオフィスビルとして使用されており、クリエイティブな企業や専門的な事務所が入居しています。

また、レトロな雰囲気を活かし、撮影やイベントの会場として利用されることもあります。

近年では、こうした歴史的建築の価値が再評価され、多くの人々がその魅力を再発見しています。

ビルの屋上は時計台になっています。

時計台の下の細長い出窓と一番下の丸窓は振り子をイメージして作られています。

童謡「大きなのっぽの古時計」的な感じだと思います。

壁面は手掻き線入りの「スクラッチタイル」「テラコッタ」という装飾用陶器も使用されていてアールデコを基調としていることが伺えます。

また、窓や入口上部にはショッカーの基地を思わせる「ワシの彫刻」が置かれています。

当初はフクロウの彫刻にする予定でしたが、フクロウは夜行性で暗いイメージでよい印象を持たないことからカッコいいのワシに変更になったそうです。

住所:大阪府大阪市中央区平野町2丁目2-12

芝川ビル

芝川ビルは、大阪市中央区伏見町に位置する歴史的建造物の一つで、昭和初期のモダニズム建築を代表する存在です。

1927年(昭和2年)に建設され、当初は芝川家が経営する金融機関の社屋として使用されていました。現在では、レトロな雰囲気を残しつつ、現代的な店舗やギャラリーが入居し、新旧の魅力が融合したスポットとして親しまれています。

芝川ビルの最大の特徴は、スペイン風のデザインが施された外観と、アール・デコ様式を取り入れた内装です。

建物の装飾には、当時の最新技術が駆使され、繊細なタイル装飾や彫刻が随所に見られます。

特に、エントランスの装飾やステンドグラスの美しさは一見の価値があります。

このビルは、関西を代表する建築家・渡辺節(わたなべ せつ)によって設計されました。

彼は近代建築の第一人者として知られ、多くの名建築を手掛けています。

芝川ビルもその代表作の一つであり、現在は国の登録有形文化財にも指定されています。

現在は、現代のニーズに合わせた商業施設として活用されています。

1階から3階には、カフェ、レストラン、アートギャラリー、雑貨店などが入居し、訪れる人々に独特の魅力を提供しています。

特に、屋上テラスは開放感があり、イベントスペースとしても人気です。

また、歴史的な価値を活かしたイベントや展示会も定期的に開催されており、建築ファンや観光客にとって見逃せないスポットとなっています。

建てた当時は応接室など自家用として使う予定でしたが、芝川又四郎の意向で「芝蘭社家政学園」という花嫁学校として使用されました。

芝蘭社家政学園は、現在の短大の走りだったともいわれています。

現在はテナントビルとして利用されています。

入口

入口から南米のマヤ文明の遺跡のような装飾が施されています。

階段もレトロな雰囲気。

ドラマにも出てきた階段手すりの装飾。

屋上のアーチはかなり芸術的。

屋上階は現在「モダンテラス」としてイベントスペースになっています。

住所:大阪府大阪市中央区伏見町3丁目3-3


船場ビルディング

船場ビルディングは、大阪市中央区淡路町に位置する歴史的建造物で、大正時代の建築様式を色濃く残す貴重な近代建築の一つです。

1925年(大正14年)に建設され、当初は事務所や商業施設として利用されていました。

現在もオフィスや店舗として使われており、レトロな雰囲気を楽しめるスポットとして多くの人々に親しまれています。

船場ビルディングの最大の特徴は、建物の中央に吹き抜けのパティオ(中庭)がある点です。

このデザインは、ヨーロッパのクラシックな建築様式を取り入れたもので、開放感があり、採光にも優れています。

また、外観はシンプルながら重厚感のあるデザインで、装飾タイルアール・デコ調のデザインが随所に施されています。

また、内部には大理石の階段や木製の手すりが残されており、大正時代の雰囲気を今に伝えています。エレベーターの扉や窓枠なども当時のデザインが残っており、訪れる人々を魅了します。

船場ビルディングは、現在もオフィスビルとして使用される一方で、カフェやギャラリー、クリエイティブなショップが入居し、レトロ建築好きやデザイン関係者に人気のスポットとなっています。

また、映画やドラマのロケ地としても利用されることがあり、その美しい建築が注目を集めています。

外観はタイル張り、内部はパティオ風の吹き抜けスタイルになっています。

2階まで木が届いています。

なぜビルの真ん中吹き抜けになっているのかというと、船場という土地柄、大きなトラックや荷馬車を入れるための機能性を重視したつくりになっているからだそうです。

当時は、このレンガと板のところに馬車が通っていたのでしょうか。

部屋の扉もレトロでいい感じです。

住所:大阪府大阪市中央区淡路町2-5-8

大阪農林会館

大阪農林会館(おおさかのうりんかいかん)は、大阪市中央区南船場に位置する歴史的建造物で、昭和初期のモダン建築を色濃く残す貴重なビルの一つです。

1930年(昭和5年)に建設され、当初は農林業関連の事務所として使用されていましたが、現在では個性的なショップやカフェ、ギャラリーなどが入居し、クリエイティブな空間として再評価されています。

戦後の財閥解体で、農林省のOBが購入して現在の大阪農林会館となりました。

大阪農林会館は、昭和初期の近代建築の特徴を持ち、シンプルながらも重厚感のある外観が印象的です。

建物のデザインにはアール・デコ様式の要素が取り入れられており、エントランスや階段の手すり、窓枠などに当時の意匠が残されています。

特に、館内のレトロなエレベーターモザイクタイルの装飾が、昭和初期のモダニズムを感じさせるポイントとなっており、建築ファンやデザイン関係者に人気があります。

現在の大阪農林会館は、オフィスビルとしての機能を持ちながらも、個性的なショップやアートギャラリー、カフェが入居し、クリエイターや若者を中心に注目を集めています。

ヴィンテージ雑貨やデザイン関連の店舗が多く、感度の高い人々が集まる場所として知られています。

また、館内のレトロな雰囲気を活かし、写真撮影のスポットとしても人気があり、SNSなどでも話題に上ることが多い建物です。

住所:大阪市中央区南船場3-2-6

日本銀行大阪支店

日本銀行大阪支店(にっぽんぎんこう おおさかしてん)は、大阪市中央区北浜に位置する、日本銀行の地方支店の一つです。

日本の経済・金融の中心的役割を担う日本銀行の支店の中でも、大阪支店は特に歴史が長く、関西経済の発展を支えてきました。

現在も、日本の金融政策の一翼を担いながら、重要な役割を果たしています。

日本銀行大阪支店の建物は、1903年(明治36年)に竣工し、東京本店と同じく、建築家の 辰野金吾(たつの きんご) によって設計されました。

辰野は、日本の近代建築を代表する建築家であり、赤レンガと花崗岩を組み合わせた「辰野式建築」の特徴が、この建物にも色濃く表れています。

建物のデザインは、ルネサンス様式を基調としており、堂々とした円柱やアーチ型の窓が特徴的です。特に、重厚な外観とクラシカルな雰囲気を持つ外壁は、当時の西洋建築の影響を強く受けたものとなっています。また、大阪支店は1927年(昭和2年)に増築され、現在の姿になりました。

現在も日本銀行の業務拠点として機能しており、金融政策の運営や地域経済の調査・分析を行っています。また、建物の歴史的価値が高いため、一般向けの見学会が実施されることもあります。

事前予約制の見学ツアーでは、建物の内部や銀行業務について学ぶことができ、建築ファンや金融に興味のある人々に人気があります。

また、大阪・和歌山・奈良を担当区域として機能しており、東京の日本銀行本店が災害等で機能停止した場合に代わりを務める重要な役割を持っています。

住所:大阪府大阪市北区中之島2丁目1−45

大阪ガスビルディング

大阪ガスビルディングは、大阪市中央区平野町に位置する、大阪ガス株式会社の本社ビルです。

昭和初期に建設された歴史ある建造物であり、当時の最新技術を駆使したモダンなデザインが特徴です。

現在も大阪ガスの本社機能を担いながら、ビル自体が文化的・建築的価値を持つ存在として注目されています。

大阪ガスビルディングは、1933年(昭和8年)に竣工しました。

設計を手がけたのは、日本の近代建築を代表する建築家 安井武雄(やすい たけお) であり、当時の最新技術を取り入れた鉄筋コンクリート造のビルとして話題を呼びました。

建物のデザインには アール・デコ様式 が取り入れられており、シンメトリーな外観や幾何学的な装飾が特徴です。

特に、円形の塔屋 やエントランスの重厚なデザインは、当時のモダンな建築スタイルを象徴するものとなっています。

また、建物全体に施された スクラッチタイル は、時間が経過しても美しさを保ち、歴史を感じさせる仕上がりとなっています。

当時のガスビルは、ガス文化普及のため建物内に講演場、喫茶室、食堂などが解放されていて市民の憩いの場となっていました。

最上階にある食堂は当時から現在も変わらず営業しています。

2003年に国有形文化財に登録され、大阪を代表する「モダニズム建築」ともいえます。

住所:大阪府大阪市中央区平野町4丁目1−2

神戸女学院

神戸女学院(こうべじょがくいん) は、兵庫県西宮市にある日本有数の女子教育機関で、キリスト教精神に基づく教育を提供しています。

学院には 神戸女学院大学 や 神戸女学院中学部・高等学部 が併設されており、リベラルアーツ教育を重視した伝統ある学びの場として知られています。

神戸女学院は、1875年(明治8年)にアメリカの宣教師 E・P・パーマー夫人 によって、神戸の居留地で創設されました。

当初はキリスト教の精神を基盤とした女子教育を目的とし、日本の女性に高等教育の機会を提供する先駆的な学校でした。

その後、1909年(明治42年)に高等教育機関としての地位を確立し、1933年(昭和8年)に現在の西宮市岡田山キャンパスに移転しました。

現在の 西宮キャンパス は、世界的に有名な建築家 ウィリアム・メレル・ヴォーリズ によって設計されました。

ヴォーリズは、関西学院大学や大丸心斎橋店なども手がけた人物で、彼の設計による神戸女学院のキャンパスは、アメリカン・スパニッシュ様式を取り入れた優雅なデザインが特徴です。

主な建築の特徴
・スパニッシュ・ミッション様式 を基調とした赤瓦の屋根と白壁
・アーチ型の回廊や鐘楼(ベルタワー)が印象的なデザイン
・大学本館や講堂などが国の 重要文化財 に指定されている


特に、広々とした 中庭(コートヤード) や 礼拝堂 は、歴史的な価値が高く、多くの建築ファンや観光客も訪れるスポットとなっています。

ヴォーリズは、「美しい心を育むための品格ある建築」を軸に教育施設としてだけでなく、キリスト教の宗教施設としても機能する校舎を目指して建てられました。

※神戸女学院は女子大で秀吉ヤングは入れないため写真はありません。(悲しい…)
※見学会や学祭のときは男性でも入れるそうです。


住所:兵庫県西宮市岡田山4-1

大阪市中央公会堂

最終話にふさわしい大阪を代表する建築といえば中之島にある「大阪市中央公会堂」です。

大阪市中央公会堂(おおさかしちゅうおうこうかいどう) は、大阪市北区中之島に位置する歴史的建造物であり、市民の文化・芸術・交流の拠点として長年親しまれている施設です。

ネオ・ルネサンス様式 の美しい建築が特徴で、大阪を代表するランドマークの一つとして知られています。

大阪市中央公会堂は、1918年(大正7年)に竣工しました。

建設のきっかけは、大阪の株式仲買人であった 岩本栄之助(いわもと えいのすけ) の私財寄付でした。

彼は欧米視察の際に公会堂文化に感銘を受け、「大阪にも市民が集い、議論し、文化を育む場が必要だ」と考え、当時の金額で 100万円(現在の数十億円相当) を寄付し、公会堂の建設が実現しました。

その後、公会堂は大阪の政治・文化・経済の中心的な場所となり、夏目漱石やヘレン・ケラー、アインシュタイン などの著名人が講演を行ったことでも知られています。

大集会室は1161席もあり、現在でもコンサートや講演会が行われています。

中央公会堂の建築デザインは、ネオ・ルネサンス様式 を基調にした壮麗なデザインが採用されました。

主な特徴
・赤レンガと白い花崗岩のコントラスト が美しい外観
・中央にドーム型の屋根 を配置し、左右対称のデザイン

この美しい建築は、2002年(平成14年)に国の重要文化財 に指定され、改修・保存が進められています。

岩本栄之助が雨宿りしやすいようにと作った長めの屋根

内観のデザインもこだわっていて細部まで美しいのが魅力的です。

当時大集会室にあったイス

また、地下1階は見学エリアと展示室になっていて無料で見学することができます。

展示室では大阪市中央公会堂の歴史を学ぶことができます。

住所:大阪府大阪市北区中之島1-1-27

大阪府立中之島図書館

大阪府立中之島図書館(おおさかふりつ なかのしまとしょかん) は、大阪市北区中之島にある歴史的な公共図書館です。

1904年(明治37年)に開館し、100年以上にわたって大阪の文化・知の拠点として親しまれています。重厚なネオ・バロック様式の建築が特徴で、国の重要文化財にも指定されている大阪の代表的な建造物の一つです。

大阪府立中之島図書館の創設は、実業家 住友吉左衛門 の寄付によって実現しました。

住友家は「知識の普及が大阪の発展につながる」と考え、当時の大阪府に100万円(現在の価値で数十億円)を寄付し、図書館の建設が進められました。

1904年に開館して以来、関西地方の学術研究や市民の知的活動を支える場として機能し続けています。

外観は日本銀行大阪支店、大阪市中央公会堂と同じく芸術的な「ネオ・バロック様式」で建てられています。

正面入り口を入ると中央ホールになっていて、目の前には上階へと続く大階段が広がります。

ホールの天井はステンドグラスになっていて外からの光でとても美しく見えます。

3階は「記念室」があり、自由に見学することができます。

当時を感じるクラシックな雰囲気です。

住所:大阪府大阪市北区中之島1-2-10

最後に

『名建築で昼食を 大阪編』のロケ地紹介は以上になります。

今回紹介した10箇所のロケ地は、いずれも大阪が誇る歴史的・文化的に価値のある建築物ばかりです。それぞれの場所には、独自のストーリーや建築的な魅力が詰まっており、観光や散策にぴったりのスポットとなっています。

すべてのロケ地に住所を記載していますので、気になった場所があれば、ぜひ足を運んでみてください。

実際に訪れることで、テレビや写真では伝わりきらない雰囲気や細部の美しさを体感できるはずです。

今回は建築物そのものに焦点を当てて紹介したため、残念ながら昼食に関する情報は一切触れていません(笑)。

しかし、これらの名建築の中には、カフェやレストランが併設されている場所もあり、建築を楽しみながら美味しい食事を味わうことも可能です。

機会があれば、ぜひ名建築の中でゆっくりとランチを楽しんでみてはいかがでしょうか。

建築の美しさと美味しい料理の組み合わせは、きっと特別な体験になることでしょう。

大阪にはまだまだ隠れた名建築がたくさんありますので、今後も新しいスポットを探求していきたいと思います。

コメント

  1. おやすみ より:

    このHPが生きてたみたいでよかったです。

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