
実際に行って良かった
パビリオン7選!
こんにちは!秀吉ヤングです。
2025年の大阪・関西万博が、半年にわたる開催を終えました。
4月の開幕から10月の閉幕まで、会場となった夢洲には連日多くの人が訪れ、まさに「世界が大阪に集まった」と言える盛り上がりでした。
僕自身も実際に現地へ足を運び、いくつかのパビリオンを体験しました。
SNSでは混雑の様子や行列ばかりが話題になっていましたが、実際に入ってみると「想像以上に内容が濃い」と感じた館が多かったです。
展示だけでなく、空気感や香り、スタッフの雰囲気まで含めて、それぞれの国の“リアル”を感じられるのが万博の醍醐味でした。
この記事では、そんな中でも特に印象に残った7つのパビリオンを紹介します。
トルクメニスタン館の意外すぎる魅力から、オーストラリア館の壮大な映像演出、ネパール館のスピリチュアルな空気まで
──どの館も個性が強く、一つひとつが旅のような体験でした。
また、実際に行って分かったポイントなども、当日の写真を交えながらリアルにまとめています。
万博が終わっても、あの独特の空気や感動をもう一度思い出せるような、そんな“記録”と“記憶”の両方を残したいと思い、このレポートを書きました。
では、実際に訪れたパビリオンを一つずつ紹介していきます。
トルクメニスタン館|“幻の国”を体感できる異世界空間

万博の中でも、個人的に一番印象に残ったのがトルクメニスタン館でした。
「どんな国か説明して」と言われても、正直ほとんどの人がイメージできないと思います。
中央アジアに位置し、カスピ海に面した国でありながら、観光ビザを取ることすら難しい“謎の多い国”。
一部では「中央アジアの北朝鮮」と呼ばれるほど、情報統制が厳しい独裁国家として知られています。

インターネットの利用も制限されており、SNSやGoogleなど多くのサイトは国内で閲覧できません。
首都アシガバートの街並みは、白い大理石で造られた建物が整然と並び、街中を走る車までもが“白一色”という徹底ぶり。
世界でも類を見ない独特の美意識と統制の象徴のような都市です。
そんな国の文化を、自由に体験できる場がこのトルクメニスタン館でした。
館内では国の伝統工芸や織物、石油・天然ガス資源の展示などがあり、特に印象的だったのは入口にある「大統領の肖像画」と「高画質の映像コーナー」。


たくましく、誇り高いトルクメニスタンの英雄の映像や国犬である「アラバイ犬」の映像などが流れ、なんとなくのすごさが伝わってきました。

そして、思わずテンションが上がったのがグッズ売り場。
観光で行くのが極めて難しい国だけに、ここでしか手に入らないアイテムが並んでいました。中でも「トルクメニスタン」と英語で書かれた白いキャップは、まさに“激レア”。

僕も迷わず購入しました。価格は2,900円。手に取った瞬間、「もう一生買えないかもしれない」という不思議な重みを感じました。
トルクメニスタン館は、“普段絶対に知ることのできない国”を覗ける貴重な場所でした。
オーストラリア館|圧倒的スケールの全方向スクリーン体験

次に印象に残ったのが、オーストラリア館。
ここはとにかく“映像の迫力”が別格でした。館内に入ると、目の前だけでなく、天井や左右の壁までもが巨大なスクリーンになっていて、まるで自分が映像の中に入り込んだような感覚に包まれます。
全方向に広がるパネル映像は、ただの映像作品ではなく“体験そのもの”という感じ。
広大なオーストラリアの大地、乾いた赤土、波打つ海、動物たちの息づかい──そのすべてが音と光と振動で表現されていて、自然と鳥肌が立ちました。

特に、夜のシーンで天井いっぱいに星空が広がる瞬間は、思わず息をのむほど美しかったです。
展示のテーマは「自然とテクノロジーの共存」。
映像の後半では、AIや再生可能エネルギー、先住民文化の継承など、オーストラリアがこれからの未来社会にどう向き合うのかをメッセージとして発信していました。
単なる観光PRではなく、「自然の力を人がどう受け入れるか」という深いテーマ性を感じます。
体験後のエリアには、カフェスペースが併設されていて、オーストラリア産のコーヒーやミートパイが販売されていました。
少し値は張りますが、スクリーンの余韻を感じながら食べるミートパイは格別。
スタッフの対応もフレンドリーで、明るい英語が飛び交う雰囲気はまさに“オージー・スピリット”そのもの。
オーストラリア館は、派手な演出やトリックに頼らずとも、純粋に“映像体験の力”で魅せる完成度の高い展示でした。
万博の中でも「感動」というより“感覚を揺さぶられる”タイプの館で、出る頃には自然と心が少し軽くなっていました。
スペイン館|光と水が織りなす静かな情熱

スペイン館は、派手な音や動きで驚かせるタイプの展示ではなく、“静かに惹きつける”不思議な魅力がありました。
テーマは「海」や「水の循環」。

入り口を抜けると、照明を落とした薄暗い空間が広がり、水面の揺らぎを映したような光が壁に反射していて、まるで海の底にいるような感覚になります。
展示内容は未来の海洋テクノロジーや、地中海の環境保護活動などを紹介していましたが、説明よりも“雰囲気”で感じさせる演出が中心。

静かなBGMが流れる中で、青い光が波のように流れ、足元にも反射する。
どこを撮っても写真映えする美しい空間で、思わず何枚もシャッターを切ってしまいました。

他のパビリオンが明るく賑やかな中で、スペイン館はまるで“心を整える空間”のよう。
光と影、水と音──そのバランスが絶妙で、展示そのものが一つのアート作品のように感じました。
外に出たあとも、あの青い光の残像がずっと目に焼きついていて、しばらく現実に戻れませんでした。
スイス館|切り絵と光がつくる“物語の国”

スイス館は、まるで絵本の中に迷い込んだような温かさがありました。
他の国が近未来的なテクノロジーを前面に出している中で、ここはどこか“手づくり感”のある優しさに包まれていて、心がほっとする空間です。

入口を入るとまず目に飛び込んでくるのが、壁一面に広がる切り絵の展示。
スイスの自然や動物、人々の暮らしを細やかな線で描いた作品が、光とともに浮かび上がります。

さらに進むと、光るシャボン玉がふわふわと舞っている展示があります。
照明の色が変わるたびにシャボン玉が虹色に輝いて、まるで雪の国に魔法がかかったようでした。
子どもたちが手を伸ばしてはしゃぐ姿も可愛く、大人も自然とその輪の中に溶け込んでいく。そんな空気感がありました。


展示のテーマは「自然と人の共生」。
アルプスの美しい風景や環境保護の取り組みを、映像や立体展示で表現していました。
派手さはないのに、一つ一つが丁寧で、見ているうちに穏やかな気持ちになります。

そして最後のフォトスポットでは、アニメ『アルプスの少女ハイジ』の等身大パネルが。
スイスの青空を背景に、ハイジと一緒に写真を撮れるスペースが用意されていて、ここも大人気でした。
スイス館は、テクノロジーの未来を語る場所というより、“心をやさしくリセットしてくれる場所”。
万博の喧騒の中でひととき静かに呼吸できるような、不思議な時間を過ごせました。
ネパール館|遅れて開いた“癒しの聖地”

ネパール館は、他の国よりも少し特別な存在でした。
開幕当初は建設費の支払いをめぐるトラブルで工事が中断し、なかなかオープンできずにいたそうです。
ようやく開いたのは2025年7月19日。
万博が始まってから3ヶ月以上経ってのオープンだったこともあり、再開の日は多くの来場者が詰めかけていました。

館の外観は、木の温もりを感じる伝統的なネパール建築。
他の国の近未来的なパビリオンとは対照的で、どこか懐かしさのある佇まいです。
入口からゴールドの門、足を踏み入れた瞬間に少し空気が変わるような感覚がありました。

館内にはヒマラヤの水晶や仏像が展示されていて、スピリチュアルな雰囲気が漂っています。
一つひとつの仏像に込められた表情が穏やかで、見ているうちに心が落ち着いていくのを感じました。
特に印象的だったのは、シンギングボウルの体験ブース。
金属の器の縁をゆっくりと擦ると、澄んだ音色が空間に広がり、まるで空気そのものが震えているようでした。
目を閉じてその音を聴いていると、不思議と時間の流れがゆっくりになり、会場の喧騒が遠くに感じられるほどです。
グッズ売り場では、水晶やネックレス、天然石のアクセサリーなど、女性が好きそうなアイテムが並んでいて、とても賑わっていました。
スピリチュアル好きな人や、癒しを求める人にはたまらないラインナップ。
買い物目的で訪れている人も多く、万博の中でも“心が整う空間”として人気を集めていました。
ポーランド館|木の香りと静けさに包まれる癒しの空間

ポーランド館に入った瞬間、まず驚いたのは「香り」でした。
どこかで嗅いだことのある、優しい木の匂い。
まるで無印良品の店内に入ったような、清潔で落ち着く香りがふわっと広がっていて、それだけで一気に心がゆるみました。
館内は、木をふんだんに使ったナチュラルなデザイン。
温かみのある照明と木の質感が心地よく、まるで北欧の森の中にいるような感覚になります。

壁や床、展示の什器まですべてが自然素材で統一されていて、万博の喧騒から切り離されたような静けさがありました。
展示の内容は派手さを抑えた“静かな表現”。
ポーランドの自然と人が共に生きることの大切さを穏やかに伝えていました。

説明パネルもシンプルで、どれも短く、言葉よりも空気で感じる展示という印象。
見どころというよりは「居心地の良さ」が主役の館で、しばらく立ち止まって深呼吸したくなる空間でした。

どこを切り取っても自然光が美しく入り、写真を撮るとまるでカフェのような雰囲気。
“何もないことの贅沢さ”を感じられる不思議な場所でした。
万博の中で最も「落ち着く時間」を過ごせたパビリオンだったと思います。
いのちめぐる冒険|五感で感じる“いのちのミュージカル”

最後に紹介したいのが、シグネチャーパビリオン「いのちめぐる冒険」。
その中のメイン展示「ANIMA(アニマ)」は、今回の万博を象徴するような存在でした。
“ANIMA”とはラテン語で「生命」や「魂」を意味する言葉。
その名の通り、この展示は映像や音、振動を融合させて「いのちの輝き」を全身で感じる体験型パビリオンです。
ゴーグルや機械的な装置を使うことなく、光・音・風・振動を通して、自然と人、命と命のつながりを体感できる構成になっていました。
入場すると、まず全方向に広がる映像がゆっくりと動き出します。
巨大なスクリーンには、草木が芽吹き、風が吹き抜け、海や空、生命の循環が映し出されます。
その映像に合わせて、床が振動し、音の低音が体の芯まで響く。
まるで自分の心臓の鼓動とシンクロしているような不思議な感覚になります。

音と光が絡み合いながらリズムを刻み、生命が生まれ、つながっていく。
“いのちのミュージカル”という言葉がぴったりで、ただ見るだけでなく、観客自身が「地球という生命体の一部」としてその世界に溶け込んでいくような没入感がありました。
特に印象的だったのは、終盤で映像のトーンが静まり、光が一点に集まるシーン。
会場全体が淡い光に包まれ、音も最小限に絞られたその瞬間、「生きている」という感覚そのものが鮮明に浮かび上がるようでした。
派手な演出ではなく、静かで力強いメッセージが心に残ります。
この体験を通して、「いのち」という言葉が少し違って聞こえるようになりました。
単なる展示ではなく、見る人の感情や記憶まで呼び覚ますような、まさに“体験するアート”。
万博の最後にふさわしい、心の深い部分に響く空間でした。
さいごに

半年間にわたって開催された大阪・関西万博。
会場を歩きながら、世界中の文化や価値観、そして未来の可能性に触れるたびに、「人間ってすごいな」と何度も思いました。
それぞれの国の館には、それぞれの“想い”がありました。
トルクメニスタン館のように、滅多に知ることのできない国の現実を伝える場所。
オーストラリア館のように、自然とテクノロジーの共存を映像で体感させてくれる場所。
スペインやスイス、ネパール、ポーランドのように、人の心を静かに癒す空間。
そして、いのちの物語を五感で感じさせる「ANIMA」。
どの体験もまったく違う方向を向いているのに、不思議とすべてが“いのち”というテーマで繋がっている気がしました。
SNSでは「暑い」「並ぶ」「高い」といった言葉も多く見かけましたが、実際に現地を歩いてみると、そんな現実を超える“何か”が確かにありました。
国の違い、文化の違い、価値観の違い──それらを超えて、同じ空の下で笑い合う時間。
それこそが、万博の本当の意味だったのかもしれません。
そして何より感じたのは、“体験すること”の大切さ。
画面越しの情報やSNSの投稿では伝わらない「空気」「匂い」「音」「人の温度」。
実際にその場に行って、自分の目で見て、感じたことだけが本当の記憶として残ります。
万博が終わった今、あの会場の風や音、夜の照明の美しさを思い出すと、少し寂しくもあり、同時に「また新しい時代が始まるんだな」と思えます。
この体験を通して、改めて“世界は広くて面白い”という当たり前のことを思い出しました。
2025年の大阪・関西万博は終わっても、あの日感じた興奮や感動は、これからも自分の中で生き続けていくと思います。


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